第150回 日商1級 答練①~会計学

第1回の会計学は、理論は空欄補充、計算はリース取引、社債の償還でした。全体として十分な時間的余裕があったと思います。

 

問題1  理論問題

簡単な空欄補充問題です。こうした用語を埋めるタイプの問題は、全問正答したいところですが、考えて分かるものでもないので、出来るだけ時間をかけずに進めるようにしましょう。

問題2  リース取引

リース取引は、処理方法の選択基準が自分の中で明確になっていないと、処理に迷って無駄な時間を費やすことになってしまいます。今回は問題中にファイナンス·リース取引とありますが、問題によっては、オペレーティング·リース取引かファイナンス·リース取引かの判断から必要になることもあります。その場合は、簡単な「解約不能リース期間とリース物件の経済的耐用年数の比較」をまずしてみましょう。たいていの問題はこれだけでファイナンス·リース取引と判断できます。本問はファイナンス·リース取引と明らかなので、次の所有権移転か所有権移転外かの判断が求められます。①所有権移転条項の有無②割安購入選択権の有無③特別仕様か否か、で判断します。

所有権移転外ファイナンス·リース取引と判断したら、次はリース資産·リース債務の金額の算定です。本問では貸し手の購入価額等が明らかでないので、借り手の見積現金購入価額等とリース料の割引価値との比較です。リース料の割引価値を求めるに当たって適用すべき割引率は、貸し手の計算利子率が優先し、これが不明の場合は借り手の追加借入利子率(本問)です。両方が与えられている場合に、どちらを優先すべきかはっきりさせておきましょう。

本問はリース料の割引価値が選択されます。この選択が、利子相当額の計算利子率と対応します。割引価値を選択した場合は割引率が対応することが明らかですが(本問)、借り手の見積現金購入価額等を選択したなら、リース料総額の割引価値と見積現金購入価額等が一致する割引率を適用します。

また、所有権移転か所有権移転外かは、減価償却方法にも影響します。所有権移転ファイナンス·リースは自己所有資産の償却方法を、所有権移転外ファイナンス·リースはリース期間で指示された方法(本問)を適用します。

問題にすべての選択肢が与えられるわけではありませんが、たとえそうであっても、迷わず選択できるように普段の計算練習から意識して下さい。

問題3 社債の償還

4回の分割償還と買入償還を組み合わせた問題です。償却原価法は定額法となっているので、級数法のような階段状の図を下書きして解いていきます。本問は決算日と利払日·償還日が一致しているので、月割りの配分も最小限(買入償還分のみ)です。

買入償還額が裸相場で指示されているので、端数利息の計算が必要となります。通常、端数利息は日割り計算ですが年間日数が指示されていないので、月割としてます。

今回は本試験より簡単でしたから、7~8割程度が目標になります。

以上です。