メール配信~財務会計第8回第9回

固定資産の取得原価と減価償却という伝統的論点です。固定資産には、減損会計や資産除去債務といった新しい論点が多くあるため、こうした論点の重要性は随分低くなりましたが、会計関連資格の受験生なら皆が知ってるという意味で、押さえておくべき論点です。

038.039.取得原価

取得原価の算定は、資産の経済的価値を表現する観点からは、たとえ無償取得の場合でも時価が望ましいとされます。しかし交換取引では、取得時の時価と帳簿価額が必ずしも一致せず、時価評価が交換損益の認識を伴うため、その是非が問題となります。そこで、交換資産の種類と用途から投資の継続性の有無を検討し、投資のリスクからの解放があるかどうかで交換損益の認識の是非を判断します。

040.041.減価償却

費用の認識は発生主義によるため、経済価値の費消を表現する費用の認識が望ましいことになります。これを固定資産に当てはめようとしたとき、棚卸資産のように経済価値の費消を直接把握できないため、計画的・規則的な減価償却が必要となります。生産高比例法は経済価値の費消と比例的と考えられる生産高に着目する減価償却方法です。減耗償却は計算手法としては生産高比例法と同じですが、むしろ経済価値の費消を財に転化させているところが棚卸資産に類するものであり、減価償却とは異なる費用配分方法ですから混同しないよう注意してください。

以上です。