第150回 日商1級 答練③~会計学

第1問 理論正誤指摘問題

正誤の指摘だけでなく、誤りを正すことも求められています。計算処理としてはお馴染みのものばかりですが、会計基準の文章で説明されると急に分からなくなるというのはよくあります。日頃から、計算問題を解く際にも数値の組合せとしてだけでなく、その数値の持つ意味内容も意識しておくと、こうした問題も対処しやすくなると思います。

第2問 貸倒引当金

一般債権の貸倒引当金の設定に用いる貸倒実績率は、総合問題などでは所与とされるばかりですが、本問では、貸倒実績率を求めることも要求されています。ただし、貸倒実績率の求め方もその平均期間も指示がハッキリしていますから迷うことはなかったと思います。

第3問 資産除去債務

将来キャッシュ・フロー(除去時の支出額)の算定と、割引率の選択がポイントとなる問題でした。「解体業者が上乗せするマージン」つまり解体業者の利益を、将来キャッシュ・フローにふくめるのかで迷われた方もいるかも知れません。あくまでも、当社の除去時の支出見積りをもとめていると考えれば、解体業者の利益を含む対価の支払いを業者が請求するわけですから、「解体業者が上乗せするマージン」は将来キャッシュ・フローに含めるべきとなります。

割引率の選択では、資産除去債務の算定には「無リスク・税引前の利子率」を適用します。具体的には国債の利回りになります。ちなみに、追加借入利子率はリース取引で貸し手の計算利子率が不明の際に、リース料総額を割引債に適用しますし、固有のリスクを反映した収益率は減損会計で使用価値を求める際にキャッシュ・フローに当該リスクを考慮せず割引率で考慮する際に選択されるものです。

以上です。