財務会計論の出題は、個別問題が22問×8点、総合問題として6問×4点となっています。個別問題は計算問題と理論問題に分かれており、実施回によって若干変動はありますが、約半分が理論問題です。4つの記述から2つの正しい記述を選択する形式がほとんどです。難易度のバラツキが大きく、知識がなければ考えたところでどうにもならない問題が出題されることもあります。やはり、計算問題にできるだけ時間を割きたいですから、多くの受験生が正答するであろう論点については、確実に正誤判定できる正確な知識を蓄積していきたいところです。同時に、出題されても受験上パスしていいような細かすぎる内容については、下手に手を広げすぎないようにすべきと考えます。

Ⅰ. 学習方法

伝統的会計理論からの出題は、よりどころとなる会計基準があるとはいえないので、基本的な内容をインプットした後は、より多くの過去問に触れて、過去問が解けるだけの知識を身につければよしとしましょう。

新しく公表されてきた会計基準等からの問題は、計算問題対策と同時並行で進めると効率的です。計算プロセスが会計基準ではどのような表現になっているのか、会計処理の選択適用がある場合に会計基準ではどのように条件設定されているか等を確認していきます。理論対策になるだけでなく、計算問題の指示や条件の読み取りに迷いがなくなるので、計算のスピードアップにも有効です。

Ⅱ. 教材の紹介

  1:財務会計論Ⅱ  (講義時間: 34時間) 

財務会計論Ⅱは、理論問題対策を中心に取り扱っています。伝統的会計理論については、「財務会計Ⅰ」で紹介した内容に加えて、より難しい内容も解説しています。新しく公表されてきた会計基準に基づく会計処理が行われている分野については、会計基準と適用指針の重要箇所を解説しています。計算問題対策として学習してきた計算手順が、会計基準上でどのような表現になっているのか、選択適用が認められている場合の条件が会計基準でどのように規定されているのかを確認していきます。

会計処理そのものだけでなく、その論拠が問われる場合や、会計基準設定段階で検討された他の処理の見解について問われることも想定されます。こうした論点もテキスト上で併記し、対応関係を明らかにしながら解説しています。こうした会計処理の論拠等は、会計基準の「結論の背景」として公表されており、その文言は論文式試験で問われる会計処理の論拠等としてそのまま答案になり得ます。短答式試験対策としては正誤の判定ができるだけで十分ですが、いずれ必要となる論文試験対策にも繋がるように、暗記だけでなく、「理解を重視した内容」になっています。もちろん、会計基準の文言のままでは覚えにくいため、インプットすべきキーワードやキーフレーズを確認しやすく箇条書きにする、色を付けて強調するなど工夫を凝らしています。

各章末には、数年分の過去問(解説動画付)を論点毎にまとめて収録しています。本試験問題に対応できるだけの知識が身についているか、章末問題で確認してください。同一期間の過去問を収録していますので、章末問題の量が多い分野は出題頻度が高い分野といえますので、重要性の目安にもなります。

2:スマホ用過去問集

隙間時間を利用して理論問題対策ができるように、スマホなどの端末で学習できる過去問集をPDFファイルでご用意しています。記述毎の正誤を判定する形式ですが、4つの記述毎に色分けして収録していますので、この4記述から正しい2記述を選択する、と意識して取り組まれるとさらに効果的です。

以上です。