デリバティブには様々な金融商品がありますが、ここで紹介するのは先物取引・オプション取引・スワップ取引です。デリバティブは、原則として期末に時価評価し時価評価差額を損益認識しますが、何を持って時価とするかが分かりにくいところが難点です。特に先物取引では、取引の対象が実物資産に債券、為替相場と様々ですし、先物の時価は現物の時価と必ずしも一致しません。

とはいえ、日商簿記検定で出題されるデリバティブはそう難しいものではないので、テキストの設例や計算問題集のデリバティブ取引が解けるようになれば十分です。

事業会社では、デリバティブ取引がヘッジ手段として行われることが多いため、ヘッジ会計も紹介しています。初学者には難しい内容なので、後回しでも良いでしょう。第13章 外貨換算会計で紹介している為替予約もデリバティブ取引なのですが、日商簿記検定としては、為替予約のヘッジ会計、特に振当処理の重要性が高いので、その時にはテーマ2 ヘッジ会計の全体像を確認するようにしてください。