デリバティブには様々な金融商品がありますが、ここで紹介するのは先物取引・オプション取引・スワップ取引です。デリバティブは、原則として期末に時価評価し時価評価差額を損益認識しますが、何をもって時価とするかが分かりにくいところが難点です。特に先物取引では、取引の対象が実物資産に債券、為替相場と様々ですし、先物の時価は現物の時価と必ずしも一致しません。

とはいえ、税理士試験でのデリバティブの出題は、外貨建の輸出入取引とそれによって生じた外貨建金銭債権・債務について為替予約を付した場合のヘッジ会計振当処理をふくむ)を想定しておけば良いと思います。

よって、テーマ2 ヘッジ会計を中心に学習を進めてください。為替予約を理解するためには、テーマ1 デリバティブ取引の先物取引が理解できている必要があります。外貨建取引の為替予約自体は、第21章 外貨換算会計 テーマ3で詳しく紹介しているので、第13章と第21章を連続して取り組まれると効率的です。