テーマ1 純資産の部の表示は、株主資本とそれ以外、資本と利益の区分といった点に注意して覚えていきましょう。

テーマ2 剰余金の分配は、会社法上の規定に従う部分が強く、特にのれん等調整額は覚えるしかありません。さほど複雑なパターンは出題されていないようなので、計算問題集の3問が解ければ十分です。

テーマ3 株主資本等変動計算書は、基本的には、この章の仕訳一覧にある仕訳が切れたなら作成できます。ただし、その他有価証券評価差額金と繰延ヘッジ損益だけは、変動事由の表示が求められると急に難しくなりますが、あまり深く考えず、全体像2.(1)(2)のa.だけ求めて残りは差額で求めると割り切ってしまった方が楽に作成できます。

テーマ4 自己株式は、自己株式は、株式会社が株式市場で流通している自社の株式を取得した場合などに生じる勘定です。有価証券である自社の株式を取得するわけですが、会計的性格は有価証券ではなく、株主から出資を受けた会社財産の払い戻しであると考えて会計処理をします。特に、支払手数料の処理と、自己株式の処分時、特に新株発行と同時の処分時の処理をしっかりマスターしておきましょう。特に処分時の処理は、新株予約権と組合せた応用がありますから、特に重要です。

テーマ5 新株予約権は、株式を一定の(有利な)価格で取得することのできる権利であり、有価証券として発行されます。予約した権利を行使して株式を有利に(市場より安く)取得することもできるし、株価次第では権利を放棄することもできるという、株式オプションの一種です。新株予約権は、権利行使時に新株発行で対応するか自己株式の処分で対応するか、または、両者を組み合わせるかの3通りの処理があります。さらに、社債と組み合わせて新株予約権付社債の処理では、社債払込の際の償却原価法の適用も考える必要があります。それぞれの知識が曖昧だと訳が分からなくなってしまいますから、新株予約権付社債の学習の前に、新株予約権・自己株式の処分・償却原価法の確認をしておくと良いと思います。また、ストック・オプションも権利確定後は新株予約権として処理することになるなど、複数の論点にまたがる重要なテーマになります。自己新株予約権は、自己株式との異同に注目してみてください。