平成31年度第Ⅰ回 短答答練~管理会計論①

2018年12月目標短答答練第1回の管理会計論の感想です。
問題は本試験と同じく16問構成で、原価計算基準4問、原価計算基準以外の理論5問、計算7問という構成です。
原価計算基準の対策は、「スマホ用の基準の穴埋め問題集」が最も効率的なので、本試験の当日まで、あの問題集を回しておけば大丈夫です。
管理の短答式答練や本試験で8~10割得点できる人たちは、理論問題を解く時間が短く、しかも正確です。速読は、集中力をもってすれば誰でも出来るようになるので、本試験まで2週間ほどですが、今からでも心掛けるようにして下さい。練習の目安としては、1問1分以内のペースです。9問の理論を9分です。
計算は1問捨てる問題を作って、6問しか解きにいかないのがスタンダードな作戦です。理論に9分使って、残りの51分で計算6問ですから、1問あたり約8分です。もし、計算を2問捨てるのであれば、理論の見直しを一通り出来ます。時間配分の心づもりとしては、こんなところでしょう。

問題2 費目別計算
本試験では、計算の1問目が解きにくいことがよくあります。そこで躓くと、全体のリズムが悪くなるので、厄介そうな問題であれば、1問目を捨て問にする可能性があることを事前に想定しておいて下さい。計算の1問目を捨てることになっても、動揺しない心の準備です。ただ、本問は、直接工賃金勘定の作成法が理解できているのであれば、簡単です。典型論点なので、不正解だった方は要復習です。

問題4 部門別計算 ~ 単一基準 + 階梯式配賦法
階梯式配賦法なので、まず補助部門の順位付けを行ってから、補助部門費配賦表を下書きに書いて解きます。これを怠って、問題用紙の表を利用して解くと、階梯式配賦法の場合はミスして、かえって時間がかかってしまいがちです。階梯式の場合は下書き用紙に書いた方が良いです。単一基準配賦法の問題は、高い確率で正解したいところです。

問題5 単純総合原価計算 ~ バッチ生産 + 正常減損の安定発生
バッチは、一つの生産の塊です。安定発生なので、材料費は「完成品と期末仕掛品に何kg投入されているはずか」を利用して計算し、加工費は「台形の面積の比」で按分するといったことを即座に思い出せるようにして下さい。

問題8 標準原価差異分析 ~ 途中点発生の減損
期首・期末の仕掛品が存在するケースで、「当期の減損発生点通過量を調べる」ことができるかが問われた問題です。直近の日商1級 第150回でも当該論点が問われていました。問題を見た瞬間に、「作問者が何を論点として作成したか」を見抜けることができるようになると、管理の得点は飛躍的に伸びます。本問論点の克服は、会計士・日商1級の受験生にとって必須です。

問題9 管理会計に関する理論
マネジメント・コントロール、オペレーショナル・コントロール、タスク・コントロールといった用語は、10年前までは問われなかった用語ですが、ここ最近、本試験で見かけるようになりました。これらの用語の意味をテキストで再確認しておいて下さい。

問題10 財務情報分析
固定長期適合比率、製品回転期間、営業債権回転期間などが問われています。製品回転期間については、アナリストが分母を売上高として計算する場合がありますが、分子の平均製品棚卸高が原価ベースなので、分母も原価ベース(売上原価)で計算するのが理論的です。両方とも解答として設定されていると、相当困りますが、そういった作問は通常行われないので、両方計算してみて、ある方を選択すれば良いです。

問題11 資金管理
資金管理に関する理論問題です。10年前までは問われなかった論点ですが、ここ最近は何かの一つ覚えのように、出題されるようになりました。特に論文式試験で頻出されているので、論文式を受験する際には、「資金管理に関する全ての過去問は事前に解いておくべき」という認識でいて下さい。

問題12 管理会計に関する理論
原価企画や目標原価の設定方式について問うた問題です。このあたりは、作問者によって定義づけがやや異なっていたりするので、本試験では、どれが正解となるか、よく迷います。そういうことが起こりうる論点であることを頭の片隅に記憶しておきましょう。

問題13 ABC
資源ドライバーや活動ドライバーの定義については、直近の第150回の日商1級でも問われていました。このあたりは、高い確率で正解したいところです。

問題14 差額原価収益分析
「機会原価」の正確な定義づけを考えさせる問題です。なんとなく理解しているつもりの「機会原価」概念ですが、正確な理解ができている受験生は、案外少ないかも知れないです。『そもそも、逸失利益をなぜ機会「原価」というのか』といったことも含めて、簡単な数値例を使った解説を入れておきました。これで正確に理解できるはずです。

問題15 設備投資の経済計算
税金を考慮する場合としない場合の正味年価の計算です。大穴的存在ですが、出題可能性はあるので、初期投資額を各事業年度にばらまくためには、初期投資額に資本回収係数(=年金現価係数の逆数)を乗じれば良いことを覚えておきましょう。余裕のある方は、暗記ではなく、「どうしてそのような計算するのか」までイメージできるようにして下さい。

問題16 事業部制組織
内部振替価格に関する問題です。特に、各事業部の投資利益率が等しくなる方法は、計算パターンを事前に覚えておいた方が良いでしょう。手法としては、追加加工のある場合の「各連産品の売上総利益率を一致させる方法」に似ているので、セットで頭に入れておきましょう。