企業法 メール配信 09.10.(会計士論文)
株式の続きです。
第9回は、株式譲渡自由の原則から、「従業員持株会への奨励金支給」をとりあげました。① 奨励金支給が株主平等原則に反しないか、② 利益供与にあたらないか、③ 退職時の取り決めが譲渡自由の原則に反しないか、と三つの論点が含まれています。① 株主平等原則違反になるかは、一部の株主のみに何らかの利益が生じる場合には検討事項になると思っておきましょう。② 利益供与にあたらないか、は機関(株主総会)でも関連論点があるので、併せて確認するようにしてください。
自己株式取得規制は説明問題ですから、規制の趣旨を生じうる弊害との対応において確認するようにしてください。
第10回は、株主名簿の論点から、名義書換の不当拒絶や失念株の取り扱いの紹介です。
名簿上の株主が割り当てられた株式の払い込みをなした場合の失念株主との法律関係は、株式の割り当てを受ける権利が名簿上の株主に帰属するパターンと失念株主に帰属するパターンの両方を紹介しました。両方を論証できる必要はないので、どちらか一方に決めて、他方は理解を深めるために利用してください。
以上です。