法人税Ⅰ

秋も一段と深まり、日だまりの恋しい季節となりました。お変わりなくお過ごしでしようか。

昨日、法人税Ⅰの原稿を出稿しました。
テキストの制作では、どういう順序で学習していくか、章立てが大切です。
いろいろな方法がありますが、法人税Ⅰでは、出題可能性の高い分野から順に並べています。

出題可能性の高い分野から順に学習できるようにしておく一番のメリットは、たとえ時間がなくてテキストの最後まで辿り着けなくても、出題可能性の高い分野が学習済みであれば、合格点を確保しやすい点です。
他の科目でもそうしたいところですが、このような章立ては、法人税だけです。
なぜ、法人税だけ出題可能性の高い分野から順に並べることができるかというと、出題傾向がはっきりしているためです。

ここ10年間の出題論点を並べてみると、租税公課と減価償却費の2分野は、毎年欠かさず出題されています。
そして、最近、出題が続いている受取配当も来年の出題可能性が高い分野です。
直近の本試験でも、与えらた計算資料のほとんどがこの3分野のものでした。
極端な話ですが、この3分野からの出題を完答できれば、それだけで法人税の計算は合格点になるはずです。
そこで、この3分野から学習を始めることとした上で、この3分野の設例を多数掲載しています。
その結果、法人税Ⅰのテキストは、この3分野が約50%を占めています。
この3分野で、しっかりと得点できるようになりましょう。

法人税Ⅰの残りの50%は、交際費、給与、貸倒損失・貸倒引当金、グループ法人税制、資産・負債の評価、繰延資産、寄附金です。
例えば、前回の本試験の計算は、租税公課、減価償却、受取配当、貸倒引当金・貸倒損失、資産の評価、給与等、グループ法人税制からの出題だったので、全て法人税Ⅰの内容でした。

法人税法Ⅱでは、組織再編税制、別表5の記載方法、外国税額控除、圧縮記帳、税額控除などを学習します。
これらの論点が計算問題として出題される可能性は、法人税Ⅰの論点よりも低くなります。
従って、あまり時間はかけずに、ポイントだけ、しっかり押さえるようにしましょう。

租税法の学習方法としては、広く浅く、よりも狭く深くです。
「万遍なく大体のことを知っている。」では、得点になりません。

3大重要分野は隅々までしっかりと学習し、次に、最近の出題傾向から2018年度本試験で出題されやすそうな分野を重点的に学習し、あとの分野は重要ポイントだけを頭に入れておく、そんな学習方法が効果的です。

相変わらず忙しいので、キャンプに行く約束が果たせず、庭にテントを張って、子供と二人で寝ました。明日は、ベイバトルの大会に出場するらしく、毎日、楽しく過ごしているようです。

来週末は、日商の本試験です。
受験される方は、直前1週間前は無理せず、十分に睡眠をとるように心掛けて下さい。