財務会計 メール配信 07(会計士論文・税理士)

第7回は、研究開発費、引当金、退職給付会計です。

研究開発費には、資産計上費用処理かの選択が単純な2択ではない難しさがあります。我が国では、対応する収益獲得の不確実性から費用処理されますが、資産計上すべき論拠も同様に重要です。

また、蓋然性基準を採用しているIFRSの論拠と我が国の立場からの反論も合わせて確認してください。


引当金は、伝統的な収益費用アプローチの観点からは費用収益対応の原則が費用の見越し計上の中心的な論拠とされます。しかし、資産負債アプローチでは何らかの義務を伴うことが引当金計上の論拠とされます。今回は収益費用アプローチの観点から確認してもらいました。


退職給付会計では、個別財務諸表と連結財務諸表では異なる取り扱いが求められていますが、今回は、この込み入った部分以外の基本的な内容が中心です。

退職給付の性格一つとってみても、賃金後払説・功績報償説・生活保障説と様々な見解があるわけですが、やはり、会計基準が選択した見解と論拠は押さえておきたいところです。

個人的には、個別財務諸表と連結財務諸表で取扱いが異なる状況が早く解消して欲しいなぁと思うんですけど…。

以上です。