経営学 メール配信 計算問題編03.04.(会計士論文)

計算問題編の第3回と第4回に分けて、企業価値の算定と、MM理論つながりで最適資本構成からペイアウト政策をお届けしました。

企業価値の算定方法には、インカム・アプローチマーケット・アプローチがありますが、インカム・アプローチは管理会計論の設備投資の経済計算と内容的に重複するので、難なく解ける方も多いと思います。FCFの算定は、設備投資の経済計算の正味CFと同様に考えることができる側面や、ゼロ成長モデルでは減価償却相当の投資によりCFを維持するため、FCFとNOPATが一致すること、FCFは債権者を含む投資家に分配可能なCFなので、利子引前で考えること等を意識するようにしてください。

最適資本構成では、レバレッジ効果MM理論が中心論点です。ROEとROAのレバレッジ効果の関係式は使い勝手が良いので是非覚えておきましょう。MM理論は第一命題・第二命題、修正第一命題・修正第二命題のすべてを正確に覚えておきましょう。第二命題はグラフの形状で理解するとリスクプレミアムとの関係性も読み取りやすくて良いと思います。注意点としては、ROAやROEは簿価ベースの指標ですが、第二命題のデット・エクイティ・レシオは時価ベースです。計算問題上、負債は時価=簿価となっていると思いますが、自己資本は時価≠簿価となっていることも多いので気をつけてください。ペイアウト政策は、テキストとは切り口が異なりますが、過去問で内部留保すべて配当するか一部投資に回すかという論点が出題されていたので、紹介しました。

以上です。