平成31年度第Ⅰ回 短答答練~財務会計論④~連結会計

本試験と同じく、問題23~28が連結の総合問題です。連結子会社と持分法適用会社があって、税効果会計も導入されているため、論点が多く、難しく感じたと思います。
こういった場合は、焦らずに得点できる箇所を探して、得点できそうな問題に集中しましょう。

問題23~28(連結会計)
論点は、子会社株式の一部売却(80%→60%)、持分法適用会社株式の一部売却(25%→20%)、その他有価証券評価差額金、償却資産の売却(ダウンストリーム)、未実現利益の消去(ダウンストリーム)、税効果会計です。

問題23 のれん
S社のタイムテーブルの初年度、支配獲得時のものが正確に描けるかどうかです。
土地の評価差額は、税効果会計を適用するため60%を乗じますが、その他有価証券評価差額金はそのままの金額になります。
その他有価証券評価差額金は、S社の利益剰余金と同様に取り扱う、と覚えておけば良いでしょう。

問題24 非支配株主持分
償却資産の売却も商品売買もダウンストリームなので、子会社の利益剰余金に影響はありません。
なので、注意すべきは、土地の評価差額に税効果を適用させることくらいです。
土地は、支配獲得時に評価損が計上される、珍しい出題パターンですが、いつもプラスで計算しているところをマイナスとして計算するだけなので、初見でも解けるはずです。
合格するためには、本問も得点する必要があります。

問題25 繰延税金資産
備品売却に係る繰延税金資産だけを取り出して計算すれば良いので、サービス問題です。備品の売却益と減価償却費を相殺して40%を乗じるだけです。

問題26 その他有価証券評価差額金
解説にある「図で考えるとわかりやすいです。」の図を見れば、一目瞭然です。
その他有価証券評価差額金は利益剰余金と同じく、支配獲得後に増減した分、及び持分法適用後に増加した分のみを親の「その他有価証券評価差額金(税効果適用後)」に加味します。 その際に乗じる持分は、シンプルに、期末持分を使用します。
持分法適用会社の「その他有価証券評価差額金」はテキストに収録していない論点です。
解説には計算式も記しましたが、ほぼ自分では再現できないと思います。
対照的に、図は、すごくシンプルで頭に入りやすいと思うので、図で覚えるようにして下さい。

問題27 資本剰余金
子会社株式の一部売却によって、資本剰余金が変動することは誰でも思いつきます。
このとき、税効果会計が適用される計算パターンもテキストに収録しています。
ただ、テキストに載っているのと、解けるのとは、また別の話ですし、本問ではさらに、S社株式の売却仕訳に、売却分の「その他有価証券評価差額金」の減少まで加味する必要があるため、本試験で出題された場合、他の受験生も正解できない問題です。

問題28 A社株式
持分法適用会社であるA社株式の金額は、個別の金額に、+A社の利益剰余金増加額に対するP社持分の部分△のれん償却+その他有価証券評価差額金増加額に対するP社持分の部分△未実現利益までは、計算できて欲しいです。
ただ、最後に加味すべき「A社株式売却に係る連結修正仕訳」は難易度が高いです。

本試験であれば、問題23~25を合わせて、あとは「捨て問」で構わない難易度です。
本試験の連結総合問題は、兎に角、「6問中3問を正解する」ということを念頭に置いて下さい。