メール配信~財務会計第4回~第7回

021~023.金融商品の発生と消滅の認識

金融商品の発生の認識は契約締結時が原則ですが、商品等売買・役務提供の対価に係る金銭債権債務の認識は、双務契約の一方の履行により片務的な権利義務が確定する商品等の引渡時又は役務提供の完了時とされてきました。これを「収益認識基準」の立場から言い換えると「履行義務の充足」によって顕在化した契約上の権利・義務を対価の額により描写する、となります。来月お届け予定の新テキストに収録されている「収益認識基準」を学習するときには関連づけてみてください。

金融資産の消滅の認識時点として「支配が他に移転したとき」が挙げられます。条件付き金融資産の譲渡では、「支配が他に移転した」財務構成要素について消滅を認識する財務構成要素アプローチが採用されています。「収益認識基準」では、顧客が資産への支配を獲得することを「履行義務の充足」と説明していますので、「支配」について少し注目してみてください。

024~027.金銭債権の評価

金銭債権は、金融商品一般の評価方法である「時価評価」がなされない金融商品です。そもそも、金融商品が「時価評価」される理由をその投資目的から理解できていれば、金銭債権への投資目的の観点から説明できるはずです。

028~034.有価証券

有価証券の評価は、金融資産の評価の基本的な考え方がそのままあてはまります。売買目的有価証券の評価は、金融資産の時価評価そのものです。従って、他の保有目的の有価証券については、なぜ金融資産らしい評価とならないか?が保有目的の考慮の観点から問題になってきます。

保有目的とは、投資の目的すなわち何をもって投資の成果と考えるか、ということであり、投資資産そのものの時価の変動による利益を成果とする金融投資と、投資資産の利用によるキャッシュ・フローの獲得を成果とする事業投資のいずれかの投資目的のどちらか、あるいはどちらに近い保有目的であるかを考えることになります。

035.036.デリバティブ

デリバティブの中では「ヘッジ会計」の趣旨が重要論点です。ヘッジ会計はヘッジの効果を表示するために、ヘッジ手段の損益認識の期間帰属をヘッジ対象にあわせて変更するもの(繰延ヘッジの場合)であり、利益の操作性を極力排そうとする企業会計の中で、非常に特殊な会計処理であるとされます。ヘッジの効果とはなにか、ヘッジの効果を表示するために何が必要とされるかを強調してください。

以上です。