現金預金、手形、商品売買、帳簿組織、本支店会計など、古典的な論点を中心に取り扱います。かつて、簿記といえば、こういった分野をいいましたが、公認会計士試験では、あまり出題されません。ただ、出題された場合、Aランクとされることが多いので、現金預金と本支店会計はしっかりと学習しておきましょう。
Ⅰ. 学習方法
1:配点
2:学習の心構え
本テキストには、キャッシュフロー計算書や企業結合等の理論も含まれています。キャッシュフロー計算書は個人的にはもっと出題してほしい分野ですが、残念ながら出題頻度は高くありません。また、企業結合等の理論については、頻出論点ではありますが、細かな知識が必要とされ、結果的に、Cランク問題とされることが多いので、費用対効果はよくありません。
財務会計論Ⅰ~Ⅲと比べて、配点も重要性も低い論点を集めた教材なので、学習進捗程度に余裕が出てきたら、財務会計論Ⅳの教材まで手を広げるようにしてください。その際、現金預金が最重要になります。
Ⅱ. 教材の紹介
1:財務会計論Ⅳ (講義時間: 20時間)
現金・手形・有価証券・商品売買・本支店については、入門期(日商3・2級)の学習分野も含めて解説しています。これは、最近、日商試験の出題範囲が変更され、入門期の学習時期によって学習内容が異なるため、財務会計論Ⅳ(簿記論Ⅱ)の段階で、一通りの講義をしておく必要があると考えたためです。このため、受験生によっては、既に学習済みの内容
が多く含まれますことをご理解下さい。
また、帳簿組織の特殊仕訳帳については、日商1級の試験範囲から外されていますので、日商1級を受験する際には、学習対象から除外しても大丈夫です。ただ、特殊仕訳帳の構造を理解しておくことは、実務上重要と思われますので、積極的に取り組んで頂ければ今後に役立つはずです。
入門期に学習していない分野は、特殊商品売買とキャッシュ・フロー計算書です。
特殊商品売買については、公認会計士試験の「試験範囲の要旨」からは令和2年度より「委託販売、割賦販売、試用販売、予約販売」が削除されておりますので、出題可能性は低いと思われます。
キャッシュ・フロー計算書は、会計士試験だけでなく、税理士試験、日商1級においても出題実績があります。手を広げていくと、かなり難解になりますが、試験に合格できる実力を付けるという意味では、本テキストと問題集で十分なので、両教材をしっかりとやりこんで下さい。連結キャッシュフローについては、財務会計論Ⅲ(連結会計)の学習後に始めて頂いても大丈夫です。
2:計算問題集Vol.3 (解説時間: 4時間)
財務会計論Ⅳに対応した問題集です。会計士の短答式試験と同程度の資料量で作成していますので、学習内容の確認にご利用下さい。特殊商品売買は、出題可能性が低いこと、他の受験生も手薄であることから、余裕がある人だけで構わないです。
また、最近、2級の学習分野とされた「クレジット売掛金」や「リース」などについて、2級テキスト該当部分を本問題集の後半に収録しておりますので、未学習の方はご参照ください。なお、最後の2ページで、消費税の計算の仕組みを紹介しています。短答式試験では、法人税や消費税の税額計算自体は問われませんので、参考資料となります。