この章では、第3章以降の土台となるような会計の理論的基礎の紹介をしています。とはいえ、会計全体にまたがる抽象的な会計理論や、企業会計原則の規定に基づく伝統的な理論を内容とすることから、初学者の入り口としてはハードルの高い内容です。第3章以降の具体的な会計処理の方が理解しやすいと思われますから、まずは、個々の会計処理をある程度マスターした上で第1章に戻ってくることをおすすめします。
短答式試験対策の観点から、この分野からの出題がないわけではありませんが、財務会計の概念フレームワーク(財務会計論Ⅱで紹介)や第2章 収益認識基準にウェイトが移ってきているため、そこまで時間を割いて丸暗記する必要は無いでしょう。しかし、この章で紹介している会計的知識の理解を前提とする理論が他の分野でどんどん出てきますから、その都度、第1章に立ち返って意味内容を確認しつつ理解を深めていかれるのも一つの方法かと思います。
テーマ6 資産会計の繰延資産は、ここでしか紹介していませんからしっかり確認してください。テーマ7 負債会計は、第1章の中では重要性が高い内容です。短答式試験でも「引当金」をテーマに問題が一つ出題されることも少なくないですし、収益認識基準や概念フレームワークとの関連においても重要性があります。曖昧なところのないように準備しておきましょう。