この章は、有形固定資産に関する理論的補強を主な趣旨としています。
テーマ1 取得原価「全体像」の知識は、取得原価の推定や資本的支出の取得原価算入の形で総合問題で時々必要とされますので、忘れないようにしましょう。また、交換取引による取得の論点は、投資の継続・非継続、事業投資・金融投資の論点として他の分野でも登場する考え方で説明されていますので、第1章の資産会計のあたりも合わせて確認しておいてください。
テーマ2 費用配分は、総合問題で必ず減価償却計算が要求されるものの、定額法や定率法のような標準的内容が多いため、特別な対策は必要ないようです。減価償却関係の理論は、新しい会計基準の論点ではないので軽視されがちですが、やはり、基本的なところは押さえておきましょう。級数法・総合償却・200%定率法については、念のため計算方法を確認しています。
テーマ3 圧縮記帳は、課税の繰延という政策的観点から採用される会計処理なので、どちらかというと税効果会計の論点として考えた方が良いかもしれません。仕訳一覧の積立金方式の最初の決算は、スペースの都合上、圧縮積立金を積立るだけにしています。厳密には翌決算時の仕訳のように減価償却の分だけの取り崩しがあります。
テーマ4 賃貸等不動産は、注記事項自体の出題頻度が低くなっていることと、注記を問うなら税効果や関連当事者間取引等の方が重要なので、ここは参考程度にみてくだされば十分です。