管理会計論は、大けがをする可能性がある一方で、高得点も狙える戦略科目です。一般的な専門学校では、短答合格者を前提に、8コマ程度の講義しか行いませんが、FINでは、16コマ相当分の時間をかけて、計算だけでなく、理論もしっかりと説明します。
本試験は、昔ほどは難しい問題が出題されない傾向にあるので、数値は全て合わせる意気込みで取り組んで下さい。
私のような老兵でも、ほとんどの過去問で、時間内に数字は完答できる程度の難易度です。脂の乗りきった受験生であれば、難なく管理会計論で貯金できるはずです。

Ⅰ. 学習方法

  1:計算

30分問題が4問出題されます。論文式といえど、計算が中心です。というのは、理論問題の多くが計算結果を前提としていて、「計算が解けないと理論は解答できない。」という構造になっていることが多いためです。従って、理論だけ解答して計算を回避できる問題はほとんど出題されない、という意識をもって学習する必要があります。出題分野は、標準原価計算までが1問、標準原価計算以降が3問という構成がほとんどで、後半分野が中心です。ただ、標準原価計算までの最初の1問は簡単なことが多く、この1問を完答して、残りの3問でいかに点数を拾えるかで勝敗が決まることがほとんどです。その最初の1問の計算は、短答知識だけで完答できるので、短答の学習がしっかりとしているのであれば、あまり意識する必要はありません。学習の中心は、標準原価計算以降の3問の計算におくとよいでしょう。
短答式試験との最大の違いは勿論、資料の多さです。短答式試験に合格したばかりの受験生にスピードで負けないために、短答式の問題も引き続きトレーニングすべきですし、長文対策のために、論文式試験の過去問も数多く解いておくべきです。

  2:理論

管理会計論の理論は、3つの視点から解答できないかを検討することで、ほとんどの問題に対応できます。ここでは詳述しませんが、そういった視点をもつことと、過去問への良質な模範解答をより多く目にすることで、効率的に対応できるようになります。

Ⅱ. 教材の紹介

  1:管理会計論Ⅰ・Ⅱ  (講義時間: 41.5時間) 

短答式のテキストと重複する部分も多いですが、短答対策としては取り扱わなかった計算や理論対策も行います。論文式管理会計論は、素点で50点切るくらいが合格ラインとなることが多いのですが、私でさえ完答できる程度の難易度です。本教材では、私の知見を余すところなく紹介しているので、是非、ご活用ください。

  2:総合問題集  (解説時間: 10時間) 

論文対策問題を32問収録し、すべてに解説動画をつけています。
(Ver.1: 10問)
日商1級対策としてもご利用頂けるように、会計士論文式の過去問等か
ら理論問題を除外して制作しています。分野別の良問集ですが、本試験では、定型的でない問題、過去問の類題も出題されますので、そういった問題に強くなることを意識して解くようにして下さい。管理会計論は、良問を繰り返し解くのが最も効率的な学習方法です。
(Ver.2: 12問)
会計士の論文式本試験の過去問をベースに制作しています。理論問題は、過去問の類題が出題される傾向です。テキストでも触れるようにしていますが、理論は過去問を数多く解いておく必要があります。
計算については、時間は気にせず、丁寧に解いて下さい。そして、1回目に解いたときに作成した自分の下書用紙を残しておいて、次回からは、その下書用紙を見ながら、数字の確認作業をするような形で復習すると効率的です。
解説動画がございますので、ご活用下さい。
(2019年~2021年 論文誌基本試験問題)
本試験は、素点50~60点を合格ラインと想定することになりますので、時間配分をしっかりとマネジメントして、本試験に備えてください。