外貨建取引としては、輸出入取引(テーマ1)と有価証券投資(テーマ2)が中心です。
テーマ1 外貨建取引自体は簡単な内容です。外貨建の取引額に円換算する際に適用する為替相場の選択さえ間違えなければ問題ありません。ここで、為替相場の変動リスクをヘッジ(回避)するために為替予約(テーマ3、為替相場を対象とする先物取引)が付されると、ヘッジ会計の対象となります。ヘッジ会計は第9章デリバティブのテーマ2で紹介していますので、ここでもう一度復習してみてください。
為替予約の場合には、為替相場を通貨の時価と捉えて、直物為替相場を現物市場の時価、先物為替相場を先物市場の時価と考えて処理します。為替予約の場合には特例として振当処理を採用することができるので、仕訳一覧では振当処理を紹介しています。特例処理ですが頻出ですからしっかりマスターしておきましょう。ヘッジ会計の繰延ヘッジの処理などが難しく感じるようであれば、とりあえず振当処理だけはマスターしましょう。
テーマ2 外貨建有価証券も、保有目的別の評価を基本とします。円換算する際の為替相場の選択では、時価はCR換算、取得原価はHR換算が基本ですが、満期保有目的債券はCR換算(為替予約の場合はFR換算)する点に注意しましょう。その他有価証券は債券と株式にわけて考えてください。テキストでは理解のためにBOX図も利用していますが、相場の変動は上下両方あるので、仕訳の貸借が一致するように評価差額の処理を考えると損益が逆転する間違いが起こりにくいと思います。