経営学の本試験問題は、ほとんどの実施回で第1問は組織論や戦略論、第2問は財務論の構成となっています。第1問は、長文に空欄や下線部が設定されていて、空欄補充問題や下線部に関する用語説明を要求される問題が出題されます。近年は、第2問の財務論の出題数が増えており、財務論の計算対策の重要性が高まっています。
Ⅰ. 学習方法
1:組織論、戦略論等
基本的な出題内容が、語句の空欄補充や用語説明であり、記述も多くて3行までなので、知識があるか否かの勝負になります。とはいえ、選択科目に多くの時間を割ける余裕はない受験生がほとんどのはずですから、誰もが知っているであろう知識に絞ってインプットしていくべきです。本試験では聞き覚えのない用語も登場するでしょうが、その時は他の受験生同様にパスすれば良いと割り切っておきましょう。
経営学の学びは、公認会計士を志向する人にとっては興味深い内容が多く、ついつい深入りしがちです。しかし、それは合格後のお楽しみとしてとっておきましょう。
2:財務論
出題量の点から重要性の高い財務論は、知識がなければどうにもならない組織論・戦略論に対して、計算問題の対策の効果が得られやすい点でも重要です。確率による期待値によって収益性を測定する、リスクを分散や標準偏差によって評価する、キャッシュ・フローの割引価値で資産等を評価するといった方法論は共通性があり、複数の分野にわたって利用されていることが分かります。一度納得して理解してしまえば応用の利く手法なので、繰り返し問題を解いてマスターしましょう。また、ギリシャ文字を多用した文字式も、資料として、あるいは答案として多く登場しますが、慣れるしかありません。具体的な数値が入れば比較的対処しやすいので、文字式に設例の具体的な数値を当てはめながら計算するようにすると攻略しやすいと思います。
Ⅱ. 教材の紹介
1:経営学 (講義時間: 19時間)
第1問対策として戦略論・組織論等は、受験生なら誰もが覚えてくるであろう用語、どの専門学校でも扱うであろう用語に絞って紹介しています。本試験で長文にまとめて説明されるような関連する概念・用語をグルーピングして紹介していますので、テキストで同じグループで説明されていた用語はまとめて覚えていくようにしてください。踏み込んだ内容について問われることはまず無いので、用語の意味が分かる程度で十分です。アルファベットの略語も指定されることがあるので覚える必要があります。テキスト内では提唱者も紹介していますが、提唱者名を問われることは稀なので、長文中に提唱者名が登場することで、空欄の用語が特定しやすくなる、くらいに考えてください。
第2問対策としての財務論は、ギリシャ文字を多用した文字式になれることが肝要です。数学的な表記としては正しくはないですが、テキストでは文字式の中に入れ込むような形で具体的な数値を併記して説明しています。厄介な分散や標準偏差の計算も、具体的な数値を用いて計算する分には難しくないので、まずは、設例の具体的な数値でどんどん計算して慣れていきましょう。巻末には、本試験問題を含む計算問題も収録していますので、ある程度計算に慣れてきたら取り組んでみてください。また、文字式が多用されるということは、グラフも多用されることになります。直感的な理解に資するグラフが読めると強みになりますし、カラーテキストの強みを生かしてカラフルなグラフも多く記載していますので、是非、理解に役立ててください。
2:経営学メール配信
経営学でもおよそ週1回のペースでメール添付のPDFファイルでお届けします。戦略論・組織論等は用語の空欄補充問題を、財務論は計算問題(テキスト巻末の計算問題より簡単な練習問題)をお届けします。タブレットでの学習に適したサイズですので、隙間時間の学習に是非お役立てください。