まず、テーマ1 ストック・オプションで、対象勤務期間を通じて新株予約権がどのように計上されていくのかを、条件変更等の影響も含めて確実にマスターしてください。会計基準の条件変更時の処理規定は、読み取りにくい表現なので特に意識して計算と対応させておきましょう。費用認識の要否にある「株主間の富の移転」につては、第16章 自己株式の「自己株式の無償取得」のところで類似の内容を説明しているので参考にしてください。
テーマ2 財貨等の取得対価として自社株式オプションを付与する取引は重要性が劣るので参考程度で問題なしです。
テーマ3 株式報酬は、令和元年改正会社法(令和3年施行)に伴って導入されたものです。取締役等に報酬として自社株を付与するもので、①事前交付型と②事後交付型があり、それぞれに③新株発行による交付と④自己株式の処分による交付を組み合わせた処理が考えられます。②事後交付型の会計処理はストック・オプションの会計処理と酷似しています。ストック・オプションの新株予約権の計上処理をマスターしていれば、株式報酬の株式引受権の計上も難なく出来るはずです。よって理論も、ストック・オプションとの異同を意識した内容が多くなっています。テーマ1とテーマ3は関連性を意識して学習するようにしましょう。