テーマ1 外貨建取引は、計算面は取引により生じた外貨建資産・負債を期末に換算替えするか否かが分かっていれば十分です。頻出なのは為替予約が付された場合ですから、テーマ3 為替予約で確認してください。むしろ、外貨換算会計全体に通じる理論をしっかり確認してください。
テーマ2 外貨建有価証券も、期末の保有目的別の換算替えが重要です。換算替えによる属性の変更がないように「取得原価→HRのまま」「時価→CR換算」が基本ですが、満期保有目的債券は金銭債権との類似性からCR換算ですし、時価の把握が困難なその他有価証券は取得原価や償却原価をCR換算します。その理由もあわせて覚えておけば、換算レートの選択に迷うこともないと思います。換算差額の取り扱いも、すべてが為替差損益になるわけではなく、その性質により有価証券利息はAR換算、その他有価証券の換算差額はその他有価証券評価差額金となる部分があります。これらのバラエティを、短答式試験対策時よりもより丁寧に確認して迷いがないように準備しておきましょう。
テーマ3 為替予約は、①原則の独立処理、②容認のヘッジ会計の適用、③特例の振当処理のすべてを改めて確認してください。ヘッジ会計自体は、第13章デリバティブのテーマ2で紹介しています。予定取引ではヘッジ手段がヘッジ対象に先行するため、何に生じる為替相場の変動リスクをヘッジしようとしているかに注意してください。
テーマ4 外貨表示財務諸表項目の換算は、連結会計や本支店会計に該当するので、計算面は財務会計論ⅢやⅣに譲ります。ここでは、理論的なところだけ紹介しています。