この章では「収益認識基準」について紹介しています。まずは、この会計基準の一般化・抽象化され(すぎ)た表現に慣れることが肝要です。2020年度の本試験で出題された計算は、代理人が手数料収入だけを収益認識するという、これまでの会計処理と何ら変わらないものですが、これを収益認識基準の表現で説明しろ、といわれると難しいですね。予め会計基準でどのような表現で説明されているかを確認しておく必要があります。

また、別の問題では変動対価の取り扱いが問題とされましたが、取引価格の変動可能性はこれまでは注目されてこなかった会計事象です。こうした会計基準で新たに注目されている会計事象については、適用指針の設例を用いて解説しています。対応する会計基準の項数と合わせて確認すると効率的です。

「収益認識基準」からの出題がどのようなものになるかはまだまだ手探りな部分が大きいですが、短答式試験でも適用指針の設例に酷似した出題がありましたから、(まだ少ないですが)過去問と適用指針の設例を中心に対策するが吉と考えます。