この章では「収益認識基準」に基づいて、収益額の算定方法や収益認識のタイミングについて会計基準の設例を中心に紹介しています。理論対策は「財務会計論Ⅱ」で紹介していますので、ここでは設例の会計処理をマスターすることを目標にしてください。また、ある程度の会計的な理解のベースがないと難しい章なので、初学者は後回しにした方が良いと思います。
「収益認識基準」は比較的新しい基準で、あらゆる収益認識に対応できるように収益認識を一般化・抽象化しています。そのため、取引条件もその処理も複雑なものではないにもかかわらず、会計基準の文言で指示されると難しい側面があります。まずは、設例の具体的な取引例の会計処理(仕訳や金額の算定方法)をマスターしてしまいましょう。短答本試験でも、設例に酷似した出題になっています。その上で、設例の具体的取引条件を会計基準の文言に置き換えながら「財務会計論Ⅱ」の理論対策を行うようにしてください。
テーマ2やテーマ5には、工事契約の設例が含まれています。第17章 工事契約で紹介している建設業会計を前提とするものですから、こちらを先に学習することをおすすめします。